培地上にマルやバツを描くように配置して菌糸体を培養したところ、菌類はマルやバツの図形を描いただけでなく、図形の違いによって成長する方向を変化させた
image credit:Dr. Fukusawa et al., released.

 脳や目を持たない生物が知能(認知能力)を持つことがあるのだろうか? 少なくとも菌類に関していえば、イエスと言いたくなるはずだ。

 これまで、カビ状の菌糸体で生きている菌類の認知能力についてはほとんどわかっていなかった。

 そこで、東北大学の研究チームが木材を分解して生きている「木材腐朽菌」のエサである角材9個を異なる図形に配置したところ、各菌糸体が察知した情報を、ネットワークを介して全体で共有し、成長の方向を決定したという。

 菌類に脳はないが、研究チームによれば、観察された振る舞いは、脳が図形の違いを認識するときのプロセスにも似ているそうだ。

References: 脳や目を持たないのに菌類は図形を識別しているのかも… | プレスリリース・研究成果 | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY- / Scientist Shows Fungi Are ‘Mind-blowing’: They Have Memories, Learn Shapes, Can Make Decisions and Solve Problems

続きを読む…

▼あわせて読みたい
雨が降るとキノコはおしゃべりになる。電気シグナルを介して仲間や木々とコミュニケーション
未来の防弾ベストはキノコ製になるかもしれない。丈夫で軽量な素材として注目される「ツリガネタケ」
キノコには意識がある。学習し、短期記憶を持つとする科学的根拠
キノコが宇宙を救う。菌糸体で作った人工衛星でスペースデブリ問題を解決できる可能性

この記事のカテゴリ:知る / 植物・菌類・微生物

Source: カラパイア