
西暦79年のヴェスヴィオ山の火山噴火で崩壊したヘルクラネウムで、ベッドに横たわったまま亡くなっていた男性の遺体が発見されたのは1960年代のことだ。
のちにその人物の頭蓋骨を調べたところ、脳が黒色の有機ガラスに変化していたことが明らかになった。
2020年の研究では、その原因は、高温の火砕流に襲われた際、その熱で脳がガラス化したものと考えられていた。
だが火砕流の温度はそれほど高温ではなく、急激に冷却されたとも考えにくく、脳のガラス化を引き起こすには不十分であると、科学者たちは長年議論を続けてきた。
そして今回、ローマ・トレ大学の研究者グイド・ジョルダーノ氏は、脳がガラス化したプロセスを詳細に説明し、超高温の火山灰の雲が原因であるという新たな仮説を提唱している。
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Source: カラパイア