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本当にあった怖い名無し:2010/05/16(日) 18:50:34 ID:/rhVV16S0

これは母から聞いた話です。


私の曽祖父、つまり母の祖父が亡くなったときのことです。


曽祖父は九十八歳という当時ではかなりの高齢でした。


普段から背筋をぴんと伸ばし、威厳ある老人だったとのことです。


しかしそんな曽祖父も老衰には勝てず、床に着くようになりました。


曽祖父は、母の住む家のごく近所に住んでいたため、


母の母、つまり祖母が看病に通っていました。




母は当時高校生で、曽祖父が亡くなった日も学校へ行っていました。


一週間くらい前から、そろそろだと言われていたそうですが、


まだ大人でない母に、人の死に目など見せないほうが良いという祖母の判断で、


母は曽祖父の床へは近づくことを許されませんでした。


学校から帰った母は、自分の部屋で畳の上に仰向けになり、


とりとめもない考え事をしていました。


一時間にいっぺん、ぼーんぼーんと、居間にある柱時計の音が聞こえてきます。


(いま、何時だろう)


そう思って母が、机の上の置時計を見上げた瞬間でした。


(あっ!)


体の自由がききません。視線以外はまったく動かせないのです。


(これは金縛りだ)


この事実に少し混乱しましたが、それと同時に母は曽祖父のことを思い浮かべました。


(まさか、おじいちゃん……)


すると、曽祖父の家がある方向の壁から突然、白い馬の首が現れました。


馬はそのまま、壁を抜けて母の部屋に入ってきます。


白い馬は、着物を着た人を乗せていました。


何もかも真っ白で、額には三角頭巾。幽霊の装束です。


幽霊を乗せた白い馬は次から次へと現れ、全部で六頭になりました。

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Source: 哲学ニュースnwk