
古代エジプトの人々は、心臓こそが人間の知性や記憶の宿る場所であり、魂の本質を映す最も重要な臓器だと考えていた。
その思想が形として残されたのが、フンコロガシ(甲虫)をかたどった「スカラベ」と呼ばれる護符である。中でも、心臓の役割を担うために胸に下げられた「ハートスカラベ」のペンダントには、特別な意味があった。
当時高い身分にあった貴婦人ハトネフェルのミイラが身につけていた金で装飾されたハートスカラベには、自らの心臓があの世で不利な証言をしないよう願う祈りの言葉と、『死者の書』の一節が刻まれていた。
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Source: カラパイア