現代ビジネス編集部
5月下旬、神奈川県横須賀市。東京湾沿いにある小さな町のスナックで、大手自動車メーカー「日産」の中堅社員の男性は、焼酎の水割りをグイッと飲み干し、酔いどれた口調でこんなことを口にする。
「みんなビビりすぎなんだよ。ウチほどの施設を備えた工場がなくなるはずないだろ。いちいち心配しすぎなんだって……」
周りの客が気持ち良さそうにカラオケを歌う中、この男性は自分自身を納得させるかのように数回頷いてみせる。そして「うん、大丈夫大丈夫……」と呟いたのち、カウンターに突っ伏して眠るのだったーー。
黒岩県知事が日産社長と面会
大手自動車メーカーの日産自動車が窮地に立たされている。5月13日に発表した前年度の決算において、最終損益が約6708億円に転落したと発表。経営の立て直しに向けて、世界で17ある車両工場を’27年度までに10に減らす方針を明らかにした。
「その工場閉鎖案に、神奈川県内にある『日産追浜工場』と、生産子会社の『日産車体湘南工場』が含まれていることが判明したのです。追浜工場には、現在も約3,900人もの従業員が在籍しています。工場近辺には日産と関係のある地場企業も多いため、閉鎖の影響は計り知れない。
日産側は『憶測に基づくもの』とコメントしましたが、23日に神奈川県の黒岩祐治知事は、同社のイバン・エスピノーサ社長と面会。日産に工場閉鎖の取りやめを要望しました」(全国紙経済部デスク)
横須賀市で’61年に創業した日産追浜工場は、「ブルーバード」や「キューブ」などの人気車種をはじめ、’10年に同社で初めての電気自動車「リーフ」の生産を開始した歴史もある。約170平方メートルの広大な敷地には、テストコースや研究施設、製造した自動車を輸送する専用船が停泊できる埠頭も併設しており、同社では「マザー工場」に位置付けられている。
続きを読む
Source: 投資ちゃんねる – 株・FX・仮想通貨・投資2chまとめ