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2025年07月08日07時04分配信
少子高齢化と歴史的な物価高が続く中、年金や医療、介護といった社会保障制度を支える保険料は年々上がり続けている。参院選で各党は、保険料負担の軽減策や医療・介護従事者の賃上げを訴えている。ただ、給付と負担はセットになるため、実現に向けた具体的な道筋を見極めることが欠かせない。
◇実現困難な負担増
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所によると、社会保障給付費は2000年度の78.4兆円が少子高齢化の進行で22年度には137.8兆円へ膨れ上がっている。給付費を賄う社会保険料(本人負担分)の総額も26.7兆円から40.7兆円へ約1.5倍に増えた。
このため政府は、年齢にかかわらず能力に応じて負担して支え合う「全世代型社会保障」の構築を目指している。ただ、負担増を伴う改革は実現が困難なのが実情。例えば、高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の負担上限の引き上げは、野党や患者団体の猛反発を受けて凍結を余儀なくされた。
こうした状況下で、日本維新の会は家計に重くのしかかる保険料負担の軽減を前面に打ち出し、「医療費を年4兆円削減して手取りを年6万円上げる」と公約に掲げた。余っている入院ベッド約11万床の削減などを通じて実現するという。
国民民主党も現役世代の保険料軽減を目指し、75歳以上の後期高齢者の医療費窓口負担を現行の原則1割から同2割へ引き上げることなどを主張。立憲民主党は、軽症者向け医療費を見直した上で、医療・介護・障害福祉サービスなどの自己負担の合計額に所得ごとの上限を設ける「総合合算制度」の創設を唱える。
一方、自民党は物価高で医療機関や介護施設の経営が悪化し、従事者の賃上げが滞っていることに着目。医療・介護サービスの公定価格の引き上げを明記した。公明党も介護や福祉などの担い手の給料を全産業平均(月38.6万円)まで段階的に引き上げる方針だ。
◇党利党略排した改革を
自民、公明両党の掲げる医療などの公定価格引き上げは保険料や税負担の上昇につながるが、影響緩和策には触れていない。野党の保険料軽減策にも財源や医療界などとの利害調整の面で課題が多い。
石破茂首相は「党利党略を排した議論が必要だ」として、社会保障改革に関する超党派の協議体設置の検討を表明した。立民や維新も賛同しており、痛みを伴う改革から逃げない共通認識を与野党で醸成する必要がある。
◇財源なき公約、質低い=識者談話
西沢和彦・日本総合研究所理事の話 少子高齢化が進む中、医療や介護といった社会保障費の負担が限界に近づいている。しかし、給付と負担はセットで、サービスを維持しながら保険料負担を軽減して、医療・介護従事者の賃金を引き上げることは不可能だ。有権者もこうした基本的な仕組みを理解して各党の公約を見比べるべきだ。
(略)
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Source: 投資ちゃんねる – 株・FX・仮想通貨・投資2chまとめ