AI(人工知能)とWeb3を組み合わせれば、誰もが開発者になれるかもしれないと、Coinbase(コインベース)主催のブートキャンプに参加したベイリー・ロイツェル(Bailey Reutzel)氏は語った。

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中学生の時に「好きなお菓子について説明しなさい」という作文の課題を出されたことはあるだろうか。

先生は、宇宙人に対して、つまりお菓子を一度も見たことも食べたこともない人に対して説明するようにと言った。つまり、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚など、五感すべてに訴えかける必要があった。当時は気づかなかったかもしれないが、何かを他人に対して明確にイメージしてもらえるよう説明するのは、実はとても難しい。

さて、ここで、ベンチャーマイナー(Venture Miner)の創業者でありCEOのマテウス・パガーニ(Matheus Pagani)氏について説明してみよう。

同氏は、明るいキャラメル色の肌とダークブラウンの髪をした男性である。髪は短く刈り込まれているが、巻き毛であるのがわかる。濃いダークブラウンの、ほぼ黒に近いあごひげは、口ひげと繋がっている。細いワイヤーメガネの奥の目はダークブラウン。下唇は上唇より少し突き出ており、自信に満ちているが、傲慢ではない。

さあ、その姿が思い浮かんだだろうか。どれくらい自信があるだろう。

そうそう、そしてパガーニ氏はブラジル人ということも申し添えよう。

皆さん、どうだろうか。

では、実際にどんな顔か見てみよう。

Matheus
〈マテウス・パガーニ氏〉

私の説明から、このイメージを思い浮かべることはできただろうか。たぶん無理だろう。同氏がブラジル人だと聞いた際に、鮮やかな色や羽根飾りをまとわせたりしなかっただろうか。こんな具合に。

Dancing brazilians

もしそうなら、先入観を反省してほしい。しかし、この時、あなたはAI(人工知能)と同じように思考している。上の絵は、ChatGPTが「楽しんでいるブラジル人」というプロンプトから出力した結果だ。この例と、生成AIが出した他の例(イタリア人が、老若男女で長テーブルを囲んでピザを食べながら楽しんでいる図)とを、パガーニ氏は昨年12月初旬にニューヨークで開催されたブートキャンプ「AI2Web3」で発表した。

パガーニ氏とビルドシティ(Build City)が主催したブートキャンプには、スキルレベルを問わず59名の参加者が集まり、最も話題をさらっている(そしてしばしば誤解されている)2つのテクノロジーを組み合わせ、どのように有用な製品やサービスを生み出すかを学んだ。

パガーニ氏は、中学生の課題の例を用いて、ここ数年、私たちを興奮させ、緊迫させてきたAIの飛躍的な進歩の理由とその方法について解説した。これまで、AIの学習には主にテキストデータしか使用されていなかったが、これで明らかになったように、それのみでは限界がある。しかし、テキスト情報とビジュアルデータを組み合わせることで、より深い理解が得られる。

そして、これを理解し、AIとブロックチェーン技術の両方を実際に体験し、そのコアとなる構成要素を理解することこそが、このブートキャンプの目的だった。

パガーニ氏は、これらのスキルがエンジニア、テクノロジーのユーザー、ジャーナリスト、アーティスト、医師など、ほぼすべての者にとって近い将来、重要になるだろうと考えている。

「私たちは、あらゆる背景の優秀な人材を集め、AIとWeb3の分野で活躍してもらいたいと思っている。彼らの多様な視点が融合することで、Web3やAIの専門的な発想のみでは想像つかないような新しいユースケースを発見できる可能性があるからだ」とパガーニ氏は述べた。

「今では、技術に詳しくない人でも『平易な英語』だけで実用的なアプリケーションやシステムを簡単に構築できるツールがある。そのため、重要なのは問題解決に情熱を注ぐ人材と適切な教育を結びつけることだ。この組み合わせが実現すれば、あとはマッチに火をつけ、燃えるのを見守るだけでいい」

驚異的な開発

これら2つの技術の融合が非常に魅力的なのは、技術的な経験がほとんどなくても、ごく短期間で実に多くのものを作ることができるからだ。

AIが適切なプロンプトでコードベース全体をソース化するだけでなく、暗号資産(仮想通貨)業界も、両者の融合領域における開発をより直感的でアクセスしやすいものにするツールを開発している。

例えば、このブートキャンプを後援した米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)は、同年11月にAgentKitをリリースした。このフレームワークにより、開発者は独自の暗号資産ウォレットを持つAIエージェントを構築でき、エージェントはブロックチェーンネットワークと自律的にやり取りできるようになる。これにより、市場を監視し、事前に定められたルールとガードレールに基づき自動的に取引を実行できるエージェントチームの構築が可能だ。

「将来的には、AIエージェントが自らの自動車を所有し、顧客から暗号資産で支払いを受け、その暗号資産を使って部品の修理を行うタクシーサービスを運営できるようになるだろう」と、コインベースのアソシエイトプロダクトマネージャーであるリンカーン・マー(Lincoln Murr)氏は参加者に語った。

コインベースは現在、AgentKitを使った開発のための助成金プログラムを実施している。「開発するものが必ずしも便利である必要はない。我々は何かクールなものに目がないのだ」とマー氏はブートキャンプで語った。まだ誰も考えていないプロジェクトやアプリケーションにインスピレーションを与えたいと願っているからだ。

coinbase
〈リンカーン・マー氏〉

オラ・ネットワーク(Ora Network)は、AI対応のWeb3アプリケーションもしくはWeb3対応のAIアプリケーションを開発したい開発者にとって興味深いモデルを提供している。

このネットワークでは、メタ(Meta)のLlama3やステーブル・ディフュージョン(Stable Diffusion)といった既存の大規模言語モデルを利用できるだけでなく、開発者が独自のモデルを構築し、いわゆるイニシャル・モデル・オファリング(IMO)を提供することで、継続的な開発をクラウドファンディングすることも可能となる。

「AIの世界では、現在、勝者総取りのような状況だが、このモデルはAIの構築とトレーニングをクラウドファンディングで行えるため、人々がモデルを共有できるようになる。10年後にはこれらのモデルが社会を動かすようになると考えると、これは大きな力になるだろう」と、オラのパートナーシップおよびグロース担当責任者であるアレック・ジェームズ(Alec James)氏は同ブートキャンプで述べた。

「そうなれば、開発の分散化を望むことができる」

同ブートキャンプのスポンサー企業として、Near、Fleek、Aloraも、2つの革新的なテクノロジーの交差領域で開発を行うための様々なツールやプログラムを紹介した。

開発者は何かできるのか

同ブートキャンプ最終日には、9チームがWeb3とAIを融合させたプロジェクトのプロトタイプを発表した。これらのプロジェクトは、ギフト選び、配送の注文、金融ポートフォリオの多様化を支援するAIアシスタントから、大きな拡散性を持つミームコインを暗号資産事業者が発行するのを支援するアプリケーションに至るまで、多岐にわたった。

サンフランシスコから参加したジャッキー・ジョヤ(Jackie Joya)氏は、このブートキャンプが開発に対する大きな刺激になったと語る。動物学を学んでいたジョヤ氏はエンジニアリングの分野ではまだ初心者だが、利用可能なツールを用いて初心者でもこれほど多くのものを開発できるということに驚いていた。

他の参加者も、スキルレベルを問わず同様の感想を口にした。

バングラデシュ出身のマーケット・リサーチャーで、H-1B1ビザにより米国に滞在しているチョードリー・イムティアズ(Choudhury Imtiaz)氏は、同ブートキャンプに参加するまでWeb3について聞いたことがなかったが、最終日にチームプロジェクトのプレゼンテーションを行うことができた。

暗号資産とAIプロジェクトの双方でエンジニアとして働いてきたイサヤ・カルバートソン(Isayah Culbertson)氏は、双方のスキルを習得することができ、それが世界をより良い方向に変えていく可能性を秘めていると考えている。

「こうした組み合わせによって、様々な分野の研究開発が加速し、同時にそこから生み出される富のより一層公平な分配も可能になると考えている」と同氏は語った。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/290952/ 

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Source: Rippleリップル)仮想通貨情報局