https://dot.asahi.com/articles/-/260618
■「結婚」は社会的信頼を保証?
例えば、普段の何げない会話の中で聞かれるこんな一言。
「結婚して、子どももいるんだから、もう立派な大人でしょ」
言葉そのままに、“結婚して子どもがいる人=立派な大人”という価値観がにじんだ一言だ。
先の記事(第3回)で単身女性が語った「いい年して、まだフラフラしてるのかっていう目で見られるのがしんどい」という声も、今回取材をした女性たちの多くからあがってきた言葉だ。一定の年齢になったら、結婚するのが当たり前。結婚したら、子どもがいるのが当たり前??。結婚していることによって、社会的地位や信頼が保証される雰囲気。そして、子どもがいるかどうかによって、それがさらに強固なものになるという空気だ。結婚していない理由を聞かれることも違和感があるが、「“結婚しない”んじゃなくて、“結婚できない”というふうに見られる」と話した女性もいた。
■都内の単身世帯は50%超
いま、東京都内の世帯は、半分以上が一人暮らしだ。未婚率の上昇などもあり、今後ますます単身化が進むという見方も強い。
2020年の国勢調査によると、東京都内の単身世帯は362万5810世帯で一般世帯全体の50.26%となり、初めて半数を超えた。都の予測を上回るペースで単身世帯が増加しているのが実態だ。ビジネスの場でも家庭でも、性別に関係なく、個人のあり方が尊重されるべきであり、価値観の多様化が進み、幸せの形は人それぞれであるのが当たり前とされている。
にもかかわらず、“独身=生きづらい、肩身が狭い”という声は決して少なくない。国をあげて少子化対策に取り組む現在、全国の自治体が、結婚・出産・子育てへの支援に力を入れる動きも相まって、「結婚もせず、子どもも産まない生き方は、社会から尊重されていない空気を感じる」という声もある。
■単身者は老後が不安
老後への不安を感じている単身者も多い。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、一人暮らしをする65歳以上の高齢世帯の割合は増え続け、2050年には32都道府県で20%を超える見通しとされている。一人暮らしの高齢世帯は、今後大都市圏で大きく増えることが予想されるため、医療や介護サービスなどの体制整備が急務となっている。
「シニアの単身世帯は、夫婦世帯に比べて年金が少ない分、貯金の取り崩しが多くなりがちです」
こう話すのは、老後資金の相談実績も豊富なファイナンシャルプランナーの有田美津子さん。厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の男性の厚生年金受給額の平均は月に約17万円で、男性の国民年金受給額は月に平均約6万円。一方、65歳以上の女性の厚生年金受給額の平均は月に約11万1千円で、女性の国民年金受給額は月に約5万6千円だ。一般的に男性のほうが高い給料であり勤続年数が長いため、男性より女性のほうが受給額が低い傾向にある。有田さんは言う。
■年金生活に入るとギャップ
「単身世帯は、現役時代は自由に使えるお金が多いのですが、年金生活に入ると経済的なギャップが大きくなりがちです。そのためにも老後の蓄えは必要。現役時代の感覚のまま、貯金を早めに取り崩すことのないよう、計画性も大切になります」
取材の中でも、「一人で稼ぎ続ける生活への不安は大きい」と話した女性がいたが、こうした経済的な不安も、不公平感を感じさせる要因の一つかもしれない。
今後10?20年で、単身の高齢世帯は大幅な増加が予想されているが、単身で老後を迎えるには、それなりの備えも必要になってくる。
※以下引用先で
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Source: 投資ちゃんねる – 株・FX・仮想通貨・投資2chまとめ